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2011/11/18 (Fri) sentimental





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◆二次創作中心文置場。
◇メインはゾロルとサンウソ。
◆携帯にも一応対応。
◇はじめましてな方はこちらにお目通し下さい。

▽ news
12/20
近々新しいサイトに移転します。
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もうしばらくかかりそうです_(:3 」∠)_

11/18
原作02>>sentimental
ちょっとだけ真面目/甘

11/11
原作03>>もしも
甘やかされゾロ/シリアス


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日記/宝物/素材/電信/配信/返信/旅立

ONE PIECE
├ 原作ベース
| ├ゾロル 01/02/03
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├ パラレル 01
└ お題 01/02/03

□TALES OF THE ABYSS
原作ベース
好きシーンで創作30題
└更新停止

□手書きブログ(HN:ておる)
パソコン/携帯


▽ お気に召しましたらば
ゾロルrank/獣×麦藁
愛され船長/ZLにZokkon
海×賊 RanK ~One~



助けて貰うことが、当たり前になっちまってんのかもなァ、と、今更思う。
思ったところで、助けて貰わなければ死んでしまうので、仕方ないのだけれど。


ゾロが熱を出した。
理由はチョッパーが色々話していたが、難しくっておれにはよく分からねェ。
ただ分かるのは、ゾロがものすげェしんどそうだ、ってことと、その原因が海に飛び込んだせいらしい、ってことと、更にその原因がおれにある、ということだけ。
気にかける理由なんて、それぐらいで十分だろう。
……いや、実は全然、まったく、心配なんてしてねェんだけども。

「ルフィ、サンジのところへ行って、氷貰ってきてくれないか」

だって、ナミん時とは違って、うちには優秀な船医がいるし。
元々ゾロってばすんげェ丈夫だし、チョッパーに任せてりゃあ大丈夫に決まってるじゃんか。
だから心配してる、ってわけじゃあ、ねェんだけど。

「……ルフィ?」
「ん、んん?? なんだチョッパー?」
「ゾロのこと、心配か? 大丈夫だぞ。すぐに良くなるよ」
「んにゃ…うん。そうだよな、ゾロだもんなァ」

何故だかおれの方がチョッパーに心配されてしまった。
いや、だから、全然心配なんてしてねェんだぞ、ホントに。
そんでもやっぱり、おれのせいで仲間が辛い目にあうっていうのは、気持ちのいいもんじゃねェし。
申し訳ないというかだな。……うん、だから、何も出来ねェけど、離れられなくって。
だからっておれがついてたって、ゾロにとっちゃ何の足しにもならねェよなァって。
なんというか、せんちめーとる?? な気分なわけだ、おれは。

「だから、氷取ってきてくんねェかな」
「おう。よしきた。任せろ」

動いていた方がまだ、気が紛れるかもしれない。
チョッパーが与えてくれた仕事、ゾロのためになるなら尚更、すぐに果たしてやろうと。
立ちあがったら、止められた。……布団の中から伸びてきたゾロの手に。

めちゃくちゃ熱いし、傍目にもしんどそうなくせして、いつもと全く変わらない力で。
握りこまれた腕、思わず振り向いたら、一瞬だけ合った視線。
ゾロは何にも言わずに、すぐに手を離してそっぽを向いたけど。

「……わりィ、チョッパー。やっぱおれ行けねェや」
「う…うん。じゃあ、おれが行ってくる。ゾロのこと、見ててやってくれ」
「おう」

ただならぬ空気を感じ取ったのだろう、逃げるようにぱたぱた部屋を出てゆくチョッパーを見送って。
ベッドの傍、さっきまでチョッパーが座っていた椅子に腰かけて、こっちを見ようとしないゾロのマリモ頭を眺めながら、小さく溜め息を吐く。
なんで、あんな、すがりつく、みたいな、情けねェ顔するんだ、お前は。
チョッパーのやつ、すんげェびびってたぞ、らしくなさすぎて。
ありゃ暫く帰ってこねェな、うん。

「ゾロ。大丈夫か?」
「大丈夫じゃねェ……」
「だよなァ、恥ずかしいよなー」
「……だまれ、頼むから」

そっぽ向いてたって、ゾロ、耳まで真っ赤だ。
チョッパーがいること、お前、あの一瞬、忘れてたんだろ。バカだなー。

「な、もうチョッパーいねェし、こっち向けよ」
「楽しんでんだろ、てめェ…」
「しししし!」

そりゃあ珍しいもん見れたから、嬉しいし楽しい。
それでも顔を見たい、理由は、からかいたいから、なんかじゃなくって。

「ぞーろー」
「……んだよ」

ようやくこっちを向いた顔は、やっぱり赤くって。
汗もすげェし、息も苦しそうだし、ちょっと涙目だし。
ケガでぼろぼろなのは見慣れてるし、今更どうとも思わねェけど、こういうのは、見慣れない分、やっぱり辛いというか、なんというか。
いや、辛ェのはゾロなんだけど、…わかってるけど。

「……バァカ。そんな顔、すんな」

やっぱりおれの方が心配されてしまった。ゾロにまで。
おれ、そんなに情けねェ顔、してんのかな? さっきのゾロと同じぐらい?
そりゃだめだ。だめだめだ。ゾロのこと笑ってる場合じゃねェ。

「ゾロはさァ、いっつも、すぐ、おれんこと助けてくれるだろ?」
「ハ、気にしてんのか?」
「いや、してねェ」
「……しろよ、ちっとは」

や、ゾロの言い分はもっともだけど。
海に落ちた時、ひっぱりあげてもらうことに関しては、手間かけて悪いとか、そういう風に思ったことはない。
そりゃ、感謝はするけど。自分じゃどうしようもないんだから、助けてもらわなきゃ、しょうがねェもん。

でもゾロがこうやって、おれを助けたせいで、熱出して。
よくよく考えてみたら、おれはゾロが助けてくれるからって、気を抜きすぎてるように思えて。
何故だかゾロは、おれが海に落っこちたら、たとえ寝てたってすぐに気付いて引きあげてくれるので。

…海に落っこちるの、ぜんぜん、怖くねェじゃんかって。
あがけばどうにかなりそうな時も、あえて落ちてしまっている、ような気がしたんだ。

もちろん、意識してそうしてるわけじゃねェけど。
――でもそれって、無意識だからこそ、余計に危なくねェ?
だって、もしも誰にも気付かれなかったら、おれ、100%死んじまうのに。
ゾロがいるからって、たったそれだけで、そんな危ねェこと、忘れちまったら。

と、いうようなことを、途切れ途切れ話してみたらば。

「だからおれは、もう何べんも、お前が沈むまで放っといてやろうかと思ったぜ」

フン、と鼻で笑われてしまった。

「……気付いてたのか、お前」
「そりゃあなァ。反射神経が鈍いわけでなし、おまけにゴムだってのに、そんなにぽんぽん落ちるわけねェだろうが」
「だよな~…おれどうしよう。ゾロがいなきゃ死ぬかもしんねェ」
「……悪くねェが。ありえねェ」
「なんで?」
「お前、誰かが気付く状況じゃなきゃ絶対落ちねェだろ」
「…へ? そうなのか?」

それこそ全く、そんなこと意識してねェんだけども。
落ちる時はどうしたって落ちちまうし。
……うん、でも、確かに、そうじゃなきゃとっくに死んでるか、おれ。
きっとものすごく運がいいんだな。おれは。

「だから、助ける方は余計腹立つんだけどなァ、船長」
「……スミマセン。アリガトウゴザイマシタ」
「どういたしまして」

とろり、とゾロが目を伏せる。
普通に喋ってるから元気んなったのかと思ったけど、やっぱしんどいんだな。
これは船長としてはしっかり休ませてやらねばなるまい。

「寝ろよ、ゾロ」
「…そうする」

素直に言うことを聞くゾロが、なんだか子供じみてかわいいので、なでなで、頭を撫でてやる。
ナミの時よりは大分マシだけど、やっぱり熱い。ものすごく。
よくこんなんで普通に話とか出来るよなァ、こいつ。
おれなら絶対無理だ。寝込みっぱなしだ。
そんでもって、ゾロだのサンジだのに、これでもかと甘えまくる。
……そんじゃゾロも今、言わねェだけで、もしかしたら甘えてェのかな?

「なァなァ、なんかしてやろうか、ゾロ」
「いらねェ」

体を揺さぶりながら訊いてみたら、迷惑そうに一蹴された。
まったく、人がせっかく甘やかしてやろうと思ったのに。
しかし何もしていらねェなら、おれがここに座ってる意味ねェじゃんか。
なんとなくつまらなくってぶーたれていたら、うっすら目を開けたゾロが、のそりとこちらへ手を伸ばしてきた。

「何?」
「手、貸せ」
「手??」
「つないどけ」

言われるがまま、差し出された手をぎゅっと握ってみる。
ビョーキの時は人恋しくなるもんだ、って、言ってたの、サンジだっけなァ。

「甘えんぼか、ゾロ」
「……不安で」
「ふ、不安!?」
「今海に落ちられたら助けてやれねェんで」
「そっちかよ!」

もんのすごい珍しい台詞を聞いたと思ったら、おれの心配らしい。
この状況で、こう何度もおれの方が心配されるって、おかしいだろ、絶対。
おれってそんなに信用されてねェのか。それはちょっと、さすがにヘコむぞ、おれでも。
それにゾロ、さっき、助けて貰えない時はおれ、海には落ちねェって言ってたじゃんか。
ゾロがこんな状態なのに、うっかり落っこちたりしねェってば。

なんてぐるぐる考え込んでいたら、冗談だ、とゾロに笑われた。
……冗談? なにが?

「いいから、傍にいろ」
「…おォ。分かった」

じっとしてんの、あんまり得意じゃねェんだけど。
そんでも、理由はどうあれ、それでゾロが安心するなら、治るまでは傍にいてやろう。
おれを引きとめた時のゾロの顔、すんげェ寂しそうだったしな。



今度こそあっという間に寝入ってしまったゾロの横顔を眺めながら、もう一度ぼんやり考えてみる。
ゾロがいるからって、簡単に海に落ちてしまえる癖、どうしたら直るんだろうか、と。
一番手っ取り早い答えなら分かってる。ゾロがいないと思えばいいんだ。

でも、……でもさァ、それは難しすぎて、おれには無理なんだよなァ。
助けてもらうことが当たり前、になる、ずっと前から。
ゾロが傍にいることが、おれにとっては、当たり前なので。

……オマケに、助けて貰える時しか海に落っこちねェなら、直す必要なくねェか?
つーか、そもそもおれ、なんでこんな難しいこと考えてんだ??
ゾロが熱なんて出すからだ。いやでも、その熱の原因はおれで、あれ?
だめだ、こんがらがってきた。…ゾロが元気になってから、一緒に考えればいいか。


よし。おれも寝よう。




―――――――
色々つめすぎて収集がつかなくなったなど。そして寝オチである。
自分が久々に熱を出しまして、ネタにしたくなりまして。
ルフィさんが風邪ひく方は前に書いたので今度はゾロにしようかなと。

ゾロがルフィさんの腕掴むところを書きたかっただけです。実は。
体調悪い時ぐらいルフィさんにべったり甘えてもいいと思います。
しかしそれだけだと何なので、前から書きたかった、あえて海に落っこちるルフィさんを絡めてみたらやはり収集がつかなくなっ……そのうち再挑戦するかもしれません。ぐすん。

みなさんも風邪にはお気をつけて!

WEB CLAP

*
アンケ協力してやるか。


 

――もしもあの時、おれが、傍に居てやれたら。

ふ、と頭を過ぎった、あまりにもくだらない仮定に自嘲する。
居てやれたら、なんだ。おれがこいつに何をしてやれた?
ルフィはおろか、自分の身すら碌に守れなかったくせに。
一度ならず二度までも、あんな顔をさせた、くせに。

「……ぞろ?」

ふいに動きを止めたおれを不審に思ったのだろう、ルフィがうっそりと首を傾げた。
覗きこんでも合わない目線の先追って、納得したようにひとつ、ゆっくり瞬いて。

「いまでも、ときどき、痛ェんだ」

いつも、どんな大怪我を負ったって、"大したことねェ"と笑っていた、ルフィらしからぬ台詞を吐く。

決して弱音を吐いて甘えているのではない、その意図するところが分かるから、余計自分が情けなくってたまらない。
――甘やかされているのは、許されているのは、いつだってこっちだ。

「……わりィ」
「なんでゾロがあやまるんだ」
「さあな。なんとなくだ」
「なんとなくか。そらしょうがねェな」

うまく言葉にならないこと、あるいはあえて言葉にしたくないこと、ならば、話さなくって構わないと。
興味がねェから好きにしろ、というわけではなく。
心のうち、とてつもなく深いところまで強引に割り込んでくるように見えて、実際のところ、ルフィはかなり放任だ。
見えている部分と己の直感だけで、まるごと人を信じ、自分の懐へ包み込める。
そういう、おれには到底できないことを、いとも簡単にやってのける。

大きな危険を招くことも多々あるが、だからこそルフィは、こうまで人を惹きつける。
おれが居なくたって、充分周りに愛されて、うまくやってこられたのだろう。
……もともと、おれにも、誰にも、守られるようなやつじゃない。
ちゃんと分かっていた、はずなのに。

「……いまでも、ときどき、痛ェんだけどな」

動けずにいるおれの手を取り、頬を擦り寄せてルフィが笑う。
普段はしゃぎまわっている時の満面の笑みとは違う、たまにしか見せない、安心しきった、穏やかな顔で。

「ちっとぐれェ痛くたって、みんな…ゾロがいるから、今はヘーキだ」

気をつかってか、わざわざ言い直して寄越すルフィに、思わず洩れた苦笑を隠すこともしないまま。

――もしもあの時、おれが傍に居てやれたら。

もう一度ひっそり考えて、愚考だ、と鼻で笑い飛ばす。
今度は、自嘲ではなく。

おれが傍に居なくたって、わざわざ守ってやらなくたって、ルフィはちゃんと生きていた。
辛かっただろう、死にたくなることもあっただろう、そんな状況で、それでもちゃんと。
おれが居なくたって、ルフィはしっかり生きていける。
ルフィが傍に居なくても、おれが生きていたのと同じように。

当たり前じゃねェか。
こいつの強さなら、おれが、一番知ってる。

それでも。

「…ルフィ」
「ん?」
「好きだ」
「……おう。にしし」

知ってなお、守りたいと願った。
強いお前が、なるたけ、そのまま強くいられるように。
おれが傍に居なくたって、お前は生きていけるんだろうが。
お前が傍に居なくたって、おれは、生きていけるんだろうが。

それでも、もう、お前の隣以外じゃあ、退屈でたまらねェんだ。
――お前も、同じなんだろう?

「おれもゾロ、好きだ」

笑顔は、出会った頃から、ちっとも変わっていない。
肝心な時に傍で支えてやれなかった、不甲斐ない自分に、何度歯噛みしたか分からねェが。
それでも好きなんだと、必要なんだと、辛かったんだと、二年ごしで痛みを伝えてくれた。
何があっても守ると、最後までついて行くと決めたのだから、今更迷うことはない。

今度はためらわず、胸の傷へと触れる。
ルフィ自身も、いつの間についた傷なのか、はっきり覚えていないというそれ。
打撃でつくような傷ではないし、とはいえ刀傷でもない。やはり悪魔の実の能力者、だろうが。
……誰がつけた傷であれ、別に、そんなことはどうだっていい。

「おそろい、だろ?」

これと、これと。
おれの左目の傷を指でなぞって、無邪気な声でルフィが言う。
どうしてこいつはこうも、昔っから、能天気というかなんというか。
お前のそういう所におれが、どれほど救われているか知っているのか。

「――そうだな」

ぐるぐる考え込んでいた、自分がバカみたいじゃねェか。
いつだってお前は、そうやって、おれが許せねェおれを、簡単に許しちまうから。
つられるだけで、おれまで前を向けてしまう。

お返し、とばかりに左目の下、前と変わらず居座る傷を、親指の腹でそっと撫で。
くすぐってェ、と零す唇に惹かれるまま口付けて、小さく跳ねた肩を、再びシーツへ押し付ける。


なァ、ルフィ。
おれは、お前を守りてェな。
あの時みたいに、お前が傷付くようなやりかたじゃなく。

もしかしたらまた、泣かせちまうかもしれねェけど。
それでも生きてさえいれば、お前はどうせ、許してくれるんだろう?


――…まったく、ほんとうに、どうしようもねェよなァ。
やっぱりどうしたって、いつだって、甘えるのはおれの方じゃねェか。



―――――――
ゾロ誕おめでとう、ということで。
ゾロ誕とまっったく関係ない話でもうしわけないんですが!ゾロおめでとう!!

ゾロってこんなうだうだ考えるようなやつじゃないよなーと思いつつ。
でも腹のうちでは結構ややこしいこと、ぐるぐる考えてそうな気もして。
ルフィを泣かせてしまったこと、ルフィを支えられなかったこと、ルフィに許して貰えるまで、ずっと自分じゃ許せないまま…だった、かもしれない。
なので、誕生日だし、許してあげようじゃないかと。

まっすぐで不器用なゾロがとても好きです。
これからもルフィを頼むぜ、大剣豪!

WEB CLAP

*
アンケ協力してやるか。

閉じ込めてしまいたい。
首輪を嵌めて、縄で繋いで。
誰にも見えない場所に、誰も触れないように。
その網膜がおれ以外を映さぬように。
その鼓膜をおれ以外が揺らさぬように。

それが叶わぬなら、いっそ殺してしまいたい。
その目が、その耳が、おれ以外を愛し求めるなら。
その網膜がおれの姿を捉えなくても。
その鼓膜がおれの声に気付かなくても。

誰かのものに、なるくらいなら。

「かわいいなァ、お前」

乱れた白いシーツの上。
肩を震わせ、ルフィが笑った。

――かわいい、などと言われるようなことは、何一つやっていないし、言っていない筈なのだが。

「……かわいかねェだろ」

むしろ気持ち悪ィだろ。
うざったらしい、醜い、間違いだらけの独占欲。
自分で自分を、どうしようもねェ馬鹿だと、そう思うのに。

「いいぞ、別に」

ルフィはあっさりおれを赦した。
おれはお前を愛してるから。
お前もお前のやりたいように、好きなようにおれを愛せばいい、と。

「だけど、ゾロにおれは殺せねェよ」

――そう言って、一番好きな顔で笑った。

「ハッ、言ってくれるじゃねェか」
「だって、ホントのことだろ?」
「まァな」

おれにルフィは殺せない。
ましてや、首輪なんて嵌められるわけがない。
ルフィがそれを赦し、快く受け入れたとしても。
捕らえてしまえば、手に入れてしまえば、おれの熱は瞬く間に冷めるだろう。
手に入った"それ"は、もうおれの求めるルフィではない。
つくづく身勝手な、くだらない欲求。
分かっているのに、棄てられない。

「おれはゾロが好きだぞ」
「知ってる」
「それだけじゃだめなのか」
「だめじゃねェ。有り難ェけどな」

好きだと、愛していると。
腕に閉じ込めることを赦し、受け入れてくれるだけで、本当は充分に。
だのに、もっと、と求めてしまう。
愛情に飢えた子供のように。

「さびしいのか」
「……かもな」
「そっか」

大丈夫だぞ、さびしくねェぞ、と。
なでなで、頭を撫でてくれる、小さいようで大きな手が。
憎らしくって、愛おしくって、たまらない。

あァ、好きだなと実感する。
殺してしまいたいぐらい、おれはお前が好きだ。
お前以外の存在なんて、どうなったって構わないと思えるくらいに。
この世の誰よりも何よりもお前を。

だのにお前は、よく伸びる腕をあちこち伸ばして、おれ以外のものを抱き込んでしまう。
どこまでも無邪気に、何もかも自分のものにしてしまう。
おれ以外に触れ、おれ以外に笑い、おれ以外を求める。
おれにはお前だけなのに。
――それがどんなに憎らしいか。

「おれさァ」
「……」
「おれ、ゾロにゃあおれを殺せねェって、言ったけど」
「?」
「そんでも、ゾロに殺されるなら、しあわせだろうなァ」

漆黒の瞳に囚われて、全身の毛穴が粟立った。
殺されるなら、と薄く笑むくせに、ルフィが放っているのは、明らかに。

「ゾロだけ、だなんて、思うなよ」

――おれだって、お前を殺してェよ?

耳ではなく肌で、確かに聞いた。
悦びで身体が震える。

あァ、そうか。
そうだったのか。

「好きなやつとか、死なせたくないやつは、いっぱいいるけど」

首輪を嵌められているのはおれだ。
がんじがらめに縛られているのも。
そうであれと望み、そうしてくれと差し出したのも。

「殺してェのは、お前だけだ」

叶わぬのなら、いっそ殺してくれ、と願ったのも。
全部おれの方だったのか。
……お前は、知ってたのか。

なァルフィ。
おれは。

「だから、お前は、死ぬなよ」

どこまでも自由なお前の。
全てをさらっていくくせに、何にも持っちゃいないと豪語する、お前の。

「……な、ゾロ」

――唯一に、なりてェんだ。




――――――――――
嫉妬なんてせずにあっさり「ルフィは誰のもんでもねェだろ」って言っちゃうゾロが私の理想なんですが、独占欲どろっどろな誰にも触れさせたくない見せたくないルフィはおれのおれだけの、なゾロも書きたかったりして、じゃあ我慢せずに思っくそ汚いゾロ書いちゃおうぜ!キャラ崩壊気にせずいこうぜ!って思ってだいぶ前に書きなぐってたのが出てきたので上げてみたり。
しかしゾロがどんだけ堕ちようが欲にまみれてどろどろしようが、私の脳内ではルフィさんは常にゾロより一枚も二枚も上手なようです。
なにこれ真っ黒!

しかしウィスキーピークでの夫婦喧嘩の時、実はルフィ、ゾロのこと殺したいんじゃねーの、と思ったのです、私。
同時にゾロもまた、ルフィのことを殺したいのではないかと。
殺したいっていうと表現が物騒でアレですが、なんというか、手加減なしに、どっちが強いか確かめたいんじゃないかなーって。それこそ殺す気で。
だって頂点を目指すもの同士ですよ。気にならないわけないじゃないですか。
世界一同士、なんのしがらみもなく戦ったら、どっちが強いんだろうって。
お互いにお互いをぶちのめしてみたいんじゃないかなあ、と。
もちろん今は仲間だし、ゾロはルフィに惚れこんでしまっているので、そんなこと敢えてしないんだけども。
そういう衝動が別の部分でこうやって出てきてもおかしくないんじゃ…とは、思います。
はい、妄想です。ワンピそんな暗い話とちゃう!(笑)

壊れ気味なふたりで失礼しました。あー楽しかった!

WEB CLAP

*
アンケ協力してやるか。





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