「何か、懐かしい感じがするんだ」
ふたりで眠りに堕ちる前、不意に俺の腕の中でひとつ頷いて、はにかんだように笑いながらルークが言った。
「懐かしい、ねぇ…」
「うん、こうやって抱かれるのも、初めてな筈なのに」
身体が知っているようで、だから酷く安心すると。
本来ならば喜ぶべき言葉なのかもしれない。
けれど人一倍独占欲が高いらしい俺は何となく気に食わなくて、恋人を抱き締める腕に力を込めた。
「…妬いてる」
「うるさい」
ルークにしてはなかなか鋭い。
否定するでもなくぶっきらぼうに答えれば、心配そうな視線と可笑しげな笑い声が一緒に返って来た。
そんなもの、妬くほどの事ではないのにと。
「心配しなくたって、俺にはガイだけだよ。今も、昔も。…これからも、な」
まるで子供を宥めるような声色に、いつもは逆の立場なのにと俺もつられて苦笑いを零す。
そんな些細な事なのに何故だか凄く、これ以上にないぐらいに嬉しくて、愛しくてたまらなくて。
「俺だってルークだけだ。…目、逸らしたりしたら殺すからな」
「怖ぇー」
傍から見れば散々な脅しだけれど、それを紡ぐ声は至極穏やかで。
だからなのだろう、ルークも足を暴れさせけらけらと楽しげに笑いながら茶化すように言って、その後それもいい、なんて付け足してくれる。
俺だってどうせ同じ死ぬのならこいつの手でと願うから、きっとそれは同じ想い。
「それぐらい愛してるって事だよ」
「俺も好き。なぁ、もしも昔…俺達が生まれてくるよりも、ずっとまえにさ…」
段々小さく呂律が回らなくなる言葉に、いい加減眠いだろうとあやすように背中を叩いてやる。
嬉しそうにへらりと笑うその表情はそれこそ昔と少しも変わっていなくて、また嬉しくなって。
「…もし、もしだぞ…?」
「ああ」
「ずっと前にどこかで、俺が、おまえと…」
――もしもどこかで、出会っていたら。
「……言い終わってから寝ろよな」
内容は分かるけれどおまえの口から聞きたいとぼやいても、もう眠りに入ってしまった小さな子供には届かなくて。
すうすうと規則正しく聞こえる寝息と胸に溢れる幸福感に自分も緩く目を伏せて、初めて会った時よりも随分大きくなった身体をもう一度抱き寄せた。
きっとどこかで出会っていたら、自分達は同じように恋をしただろう。
きっとこれから先、どこかで出会ったとしたら、自分達はまた同じように恋をするだろう。
もしもの話だけれど、所詮仮定の話だけれど、それはきっと揺るぎない、変わりない真実で。
何度生まれ変わっても、それがどんな時代でも、二人がどんな姿でも。
俺達は必ず相手を見つけて、不器用ながらに必死で愛して愛されて、そうやって生きていくんだろう。
もしも、二人が。
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ミ+ス+チ+ルの「しるし」を聴きながらまったり執筆。
多分なみだあじのちょっと後の話。あー、久々に自己満足しました。でも誤字脱字点検してません(してくれよ
お題に添えてるは不明ですが、まぁいいやー。
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ガイルクぅー!!
*アンケ協力してやるかーお題配布元:
好きシーンで創作30題